肌の余分な角質を取り除き、ターンオーバーを正常化する働きが期待できるケミカルピーリングは、美容皮膚科でも肌に負担の少ない方法として知られています。自宅でもできる薬品が販売されているため、自宅で定期的に行う人も増えてきました。しかし、すべての人にケミカルピーリングが向いているわけではありません。なぜ向いていない人がいるのか、その理由は何なのか理解しておくことで、肌に余分な負担をかけずに済みます。
一番向いていない人は、敏感肌や乾燥肌の人です。ケミカルピーリングは、酸性の薬品を肌に塗って、余分な角質などを強制的にはがしています。つまり、ターンオーバーが正常に行われておらず、角質などが肌に張り付いている人が、肌の正常化を促すために行う行為です。敏感肌や乾燥肌の人の場合、肌全体が乾燥し、デリケートになっているため、薬品の刺激を肌全体で受けてしまいます。良い影響を及ぼすための薬剤によって、炎症などの肌トラブルを引き起こしかねません。そのため、ケミカルピーリングは絶対避けてください。特にバリア機能が低下する可能性が懸念される敏感肌の人は、市販されている薬品や肌に優しいといわれるソフトピーリング用のアイテムも避けましょう。
生活習慣などの影響でターンオーバーが乱れている人も、ケミカルピーリングに向いていません。肌の正常化を願うのであれば、生活習慣をただすことが重要です。ピーリングをしても生活習慣は改善されません。肌荒れを避けるためには、睡眠時間や食生活への影響を考え、規則正しい生活を送ることを考えてください。生活習慣の影響でターンオーバーが乱れているときにピーリングをすると、かえって肌が荒れてしまうため、絶対にやめましょう。肌のターンオーバーが正常化してからピーリングを検討しても、決して遅くありません。
何度もピーリングを行っている人も、避けたほうがいいでしょう。人工的にターンオーバーを正常化しているピーリングは、何度も行うと新しい細胞ができていないにもかかわらず、無理やり古い皮膚をはぎ取ってしまうことにつながります。出来上がっていない肌はとてもデリケートな状態となるため、ちょっとした刺激で肌のトラブルをおこす可能性が高いです。水分をキープし続けられる正常な肌を維持したいなら、過剰なピーリングを避けてください。それでもピーリングをしたいなら、どれくらいの期間で行ったらいいか医師と相談しましょう。肌に負担をかけずに美しくすることが、ピーリング本来の役割だからです。